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「なにしてんだよ…」
「なんだ？」
右二は女の襟首に掴みかかった
「なんで殺したんだ！」
「殺さなきゃこっちが殺される」
女は血を払いナイフを鞘に納めた
「でも………ッ！！」
女は静かに右二を睨み付けた
「ッ…！」
その目は右二にそれ以上喋るなと警告していた
「君は不適合だ…綾部右二」
無言の空間を犯すように鋭い男の声が響いた
「え？」
右二は左胸に違和感を感じ、視線を落とした
「心臓？」
自分の左胸から一本の腕が生えていた
「なっ！」
女はそれを見て一気に距離を取った
「どうし…？」
「煩いぞ不適合」
男は右二の頭を握り潰した
辺りに、肉片が飛び散った。そして、頭を失った肉体はゆっくりと倒れた
「君は適合している」
男は女の方に向き直った
「自以力弓是是打者，槍的旗手！」
女の動きは早かった。詠唱をこなし、一瞬で男の懐に入っていた
「跨ぎ転回！」
女は地面を蹴って飛び上がる勢いを利用し、男の首を横に切り裂こうとしたが、腕は横に祓われて居た
「お前を殺すつもりはない」
男は構えた
「金剛掌」
男は女の腹に、掌底を叩き込んだ
「ぐっ！？」
女の腹がメキメキと音を立てた。
そしてそのまま後ろに吹き飛ばされた
「むっ不適合か？」
男は手首をコキコキとならした
「チィ…！」
女は口の端から流れる血液を袖で拭った
「来ないならば此方から行こうか」
男の魔手が女に迫った
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