召喚と召還

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「なに?架空の刃?」 右二はキョトンとした声をあげた 「我血肉是是光的槍,火干的鏃!」 聞いたことの無い呪文と共に金属音が響いた 「油断しすぎだ!馬鹿!」 右二のさっき背後には女が居た そして男の柄を先ほど借りたナイフで受け止めていた 「やっと本丸のお出ましかいな!」 男の声に歓喜の色が混じった 「私が相手だ…」 「こいや!」 右二が電話している後ろでは過激な戦闘が繰り広げられていた 「是是自以力悪意的象征,善意的形式」 女は魔術的加速を掛け、男に斬りかかった 「はっ!」 男は飛び込む女を斬らずに、周りをいや、空間を三度切った 「燕三条式蟒蛇!」 男は女の胸めがけて、突きを放った 女はすかさず胸を守ったが、貫かれていたのは足だった 「空間魔術と生成魔術の応用か…」 「ご明察や」 男は不適に笑った 女は呟きながら後ろに下がった だが状況はたった今好転した 「おい!アンタ!あの柄を壊せ!それでアイツは戦えなくなる」 右二は女に向かって叫んだ 「っ!余計なことを!」 男は右二に切りかかろうとしたが、男の体は動かなかった 「おどれ!」 と言おうとしたが、男の声は出なかった 「この術の詠唱呪文を訳すと『我こそは悪意の象徴であり、善意の形である』になるんだけどな」 「…!」 「それってつまり私は今この瞬間は真逆の性質を持つ反転の象徴なわけだろ?」 「!」 「そんなやつと戦っていて体の魔力に異常がでないはずないよな」 「おどれ!」 「もう声が回復したのか…なら早めに決着をつけないとな」 女はナイフを逆手に持った 「笑えよ!」 と言って女は男に向かって駆け出した 「嵩ね桜弁!」 女は男の体を横に切り裂いた、そしてナイフをくるりと回しながら持ち直し、縦に切り裂いた そして、男の体は臓器を撒き散らしながらゆっくりと崩れ落ちた
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