第参節・波乱尽くめの三日間

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ケイタの言葉を聞いたユキカゼは、その言葉を聞くやいなやホッとしたように表情を崩す。 「そうでござるか?拙者、イマイチ堅い雰囲気が得意ではござらんのでよかったでござる~♪」 「俺も得意じゃないからその辺はわかるよ。」 「そうじゃな。ケイタはワシにも普通にお前などと言うしの。」 「別にいいんだろ?咎めてこないんだし。」 「そうじゃな。城の者も七海やガウル、ジェノワーズ以外は皆堅苦しくてな。肩が凝ってかなわん。ワシとしても、気安く話せる者がもう少し欲しいと思っておったところであったし。別に咎めはせん。」 ユキカゼとの顔合わせが済み、ダルキアンが改めて星詠みについての話を再開する。 「先程の話でござるが、拙者の場合はユキカゼの星詠みで地域を絞り込んで魔物を捜索する形で禍太刀を封じて回っているのでござるよ。」 「なるほど。」 「お、お館様!?禍太刀のことは────」 これまでの話を知らないユキカゼは、禍太刀について語るダルキアンに驚きの表情を向ける。 「大丈夫でござるよユキカゼ。ケイタ殿は、すでに禍太刀についてご存知でござる。」 「そうでございましたか。いつも口止めされていたので。」 「驚かせてすまんな。・・・ユキカゼ、最近は禍太刀について見えることはあるでござるか?」 「いえ、最近は見える事もなく平和な状態が続いております。」 「そうか。今後は、ケイタ殿にも連絡をしてもらえるか?ケイタ殿の目的にも、禍太刀が関係しているようであるからな。」 「はい、心得ました。」 話を進めていくダルキアンとユキカゼに、ケイタは浮かんだ疑問を投げ掛ける。 「ダルキアン卿、どうしてそこまで協力していただけるんでしょう?」 「さっき言ったろう?禍太刀は、俺達にとっても因縁があるってさ。」 「人々の為でもあるが、拙者達はこの呪いをどうにかするために禍太刀を全て封じて回るつもりでござる。それがケイタ殿の目的と重なるなら、協力は惜しまんでござるよ。」 「ありがとうございます。」 厳しい表情から一転し、朗らかな表情で話すダルキアンにケイタは素直に頭を下げる。 「そうじゃな。ワシの方でも、何か手を打とう。魔物対策室ならば、禍太刀を調査している者がおる。」 「閣下、あんまり数を巻き込まないで欲しいんだけど。」 「安心せい、情報を探らせるだけじゃ。まだ禍太刀退治を任せるのは荷が重かろうしな。」
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