#1 非科学技術研究学園

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「どうせならいつもので連れてってよ春香」 「さっき目立っちゃうとかなんとか仰っていたのは何処の夕葵様でしたっけ?」 春香は文句あり気に夕葵のほうをジト目で見ながら言った。 「だってあれ便利だし…」 「そういう問題ではありませんわ!私に頼ってばかりですと運動不足で太ってしまいますわよ?」 「大丈夫、食生活には気を使ってるし」 「はぁ…」 「それとその口調、ほんと似合わないわね」 「別にいーじゃないの、気分よ気分」 口調を戻し溜息をつきながら春香は近くの窓を開ける。 「それじゃ行くよユッキー」 「よろしく!」 そう言うと2人は寮室がある5階の通路の窓から飛び降りた。 ______ 「到着っ!」 「いつもありがとうね春香」 「全くですわ!使用料として紅飴屋のストロベリーソースのレアチーズケーキを所望いたしますわ!」 「この間行ったとこね、別にいいわよ。入学式終わったら食べに行こうか」 紅飴屋とはこの学校の敷地内にあり学生はもちろんのこと、教職員からも絶大な人気を誇っている喫茶店のことである。 4月の1日から寮に移った2人は敷地内探索中に1回立ち寄っている。 探索と言ってもとてつもなく広い敷地の一部しか見れていないわけだが。 「ぃやっほぉぉぉぉうぅ!」 「ちょっと春香、声大きいよ」 春香の口調変更はどうやら長続きはしないようだ。 騒がしい春香を落ち着かせ会場に足を踏み入れる。 「うわっ…」 「こ、これは…」 会場に入ると、2人はその桁違いの人数に圧倒された。 「…」 「あっ…!」 しばらくぼーっとしていると春香は何かを発見し駆け出した。 「ちょっと春香どうしたのよ」 突然の出来事に驚きながらも夕葵は春香の後を追う。 その先には3人の少女達が楽しそうに談笑していた。
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