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「さて、どうしようかな」
1人になり予定が変わってしまった為、何をするか悩んでいるようだ。
「どうせだしソロ探索でもしてみるか」
まだ敷地内を周りきれていないため春香から連絡があるまで探索をすることにした。
______
しばらく歩くと大きな人だかりに遭遇し、一瞬足を止める。
「何かあったのかな?」
事の次第を確認するため人混みを掻き分けて前に進むと、そこには想像を絶する光景が広がっていた。
「何よ、これ…」
血、血、血。
おびただしい量の血液と血の持ち主であろう人間が大勢転がっていたが、幸いな事に一人一人の出血量は致死量には遠いらしく、息はしているがショックにより倒れているようだ。
あまりの光景にぼーっとしている内に数名の教師が人だかりを立ち退かせ、救急隊員が負傷者達を急いで運んで行った。
何が起きたのかイマイチ飲み込めないでいる内に半数ほどの教師達は救急隊についていき、残った教師達は現場処理を行うために辺り一帯を封鎖し始め、人だかりは散り散りになっていく。
「何だったのよ一体、探索なんてするんじゃなかったわ」
相当グロテスクな光景を目のあたりにし、意気消沈しながら歩いていると後ろから突然声をかけられた。
「おーい、そこの美少女!」
声の方向と距離からしておそらく夕葵に呼びかけたと思われるが面倒事になりそうな予感がしたので無視して歩いていると、
「君に言ってるんだけどなー、水城夕葵さーん?」
「!?」
突然本名を呼ばれた事に驚き勢いよく振り返ると、やはり見た事のない同い年ぐらいと思われる茶髪の男子がにっこり微笑みながら立っていた。
「やっと振り向いてくれた、突然だけどよかったら僕と一緒にお茶でもどうだい?」
相変わらず微笑みを浮かべながらゆっくりと近づいてくる。
「そんな事よりなんで私の名前を知ってるのよ」
夕葵はぶっきらぼうに尋ねた。
「その辺もお茶でも飲みながらゆっくりお話しない?」
「別に、そんなに興味あることじゃないし遠慮させていただくわ」
踵を返し再び歩き始めようとしたその時だった。
「残念、さっきの事件の話も持ってたんだけどなー」
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