漲(みなぎる)~最後の体育祭

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  閉会式の後、荷物を片付けて出口に向かった。 その途中、見覚えのある女の子が居た。 それは、勝手に僕たちの前に座り、僕がたしなめた女の子たちだった。 距離にしたら15mくらい先で、男の子2人と話している。しかも僕を指さして。 一緒に居るのは、彼氏だろうか。 髪を染めたやんちゃそうな男たちに 『あのオヤジが、私たちに文句を言ったのよ』 多分、そんな話をしているのだろう。 僕は立ち止まって、彼らを見ていた。 もし男たちが何か言ってきたら、逆に訊くつもりでいた。 『お前の連れの女が、何故俺に文句を言われたのか。それを知ってるのか?』  知らなければ、そのいきさつを話すつもりでいた。 そして── 「どうなんだ。俺の方が間違ってるか?」 最後は、そう問いただしたかった。 それでケンカになっても。 年はとったが、まあ、2人相手なら大丈夫でしょう(笑) 彼らの出方を待っていると、カミさんから声を掛けられた。 「何してるの? さあ帰るわよ」 僕はああ、と言って彼らを見た。 特に動きもないので、そのまま学校を後にした。 実はその時、久しぶりにアドレナリンが吹き出ていた(笑) でも殴り合うよりも、カミさんの説教の方が怖い。 「いい年して、ケンカなんかしないでよ。 年を考えなさいよ。年を」 見破られていた。 良かったよ。ケンカにならずに(笑)  
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