漲(みなぎる)~最後の体育祭

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  この日、部活がなかったので、久しぶりに息子が早く帰ってきた。 普段は、仕事を終えた僕が9時前に、息子は学校から9時半頃に帰ってくる。 晩ごはんを一緒に食べる機会が少ないので、今日は外食する事にした。 カミさんはくたびれたから遠慮するからと、息子と2人の外食となった。行き先は息子の好きな食べ放題の、ステーキハウスガスト。 ステーキの大300gと、カレーライスの大盛り、サラダにスープを並べて、野生児のように次々にたいらげていく息子。 そんな息子に言った。 「体育祭は無事に終わって良かったな。 お疲れさん」 息子は口一杯に食べ物を頬張りながら、答えた。 「おとんから言われた、組織作りの話が役にたったよ。ありがとう、おとん」   青チームのブロックリーダーに決まった時、僕は息子が、総勢230名の人間を引っ張っていくんだという事を知りました。 その規模は、野球部員どころじゃないし、初めての大役に、息子も不安いっぱいのようだった。 それで息子には、組織を率いるヒントを与えた。 それは『働きアリの法則』──別名『2:6:2の法則』と呼ばれる話です。 ご存知の方も多いとは思いますが、一応説明します。  
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