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「分かった。お前が本気なら、俺も手を貸す」
ですが、息子の本心は
『野球がしたいから勉強する』
動機は不純だったけど、貴重な勉強意欲を削ぎたくなかった僕は、カミさんと相談して、ん十万をはたき家庭教師を雇った。
地元をよく知る僕には、当時の息子の学力で行ける、私立高校の環境が分かっていた。
中には、甲子園に行った強豪校も有りますが、息子に学んで欲しい『文武両道』、には程遠い高校ばかりだった。
しかし、本人の努力の甲斐もあり、推薦で地元の県立に無事入学。
ただし商業高校と合併した普通校ゆえに、女子生徒が6割を占める。当然、野球部も弱小チームですが、今日も聖地『甲子園』を目指し、真っ黒になっている。
そんな息子が高校入学する前の、中学3年の秋、野球部を引退し有り余る時間の中、事件は起きました。
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