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教師になるのが夢だった。
きっかけは単純。
中学の時に出会った熱血教師の影響だ。
彼はまだ若くて、授業は分かりやすいうえに面白くて、生徒思いで親しみやすかった。
俺もあんな教師になりたい――と、単純にそう思った。
教師になれるなら何でも良かったが一番得意だったのが英語で、なんとなく近場の私大の英文学科に入学した。
そして大学1年の春、俺は家庭教師のアルバイトを始めた。
登録した事務所から初めて生徒の紹介があった時の興奮と言ったらない。
これで一歩、夢に近づいたわけだ。
『生徒さんは進藤先生のご自宅近所の高校2年生の女の子で、先生と同じ大学を志望していますのでちょうど良いかと』
電話口で事務所のスタッフがそう言った。
【先生】という言葉が、いやにくすぐったい。
『先生?どうされますか?』
「あ、引き受けます!もちろん!」
場所や生徒の学力などの条件が合わなければいつまでも紹介を受けられないこともあると聞いていたのに、登録からたった3日で出てきた好条件だ。
迷うまでもなく即答した。
手続きを踏み、くだんの女子高生の家を初めて訪ねたのは、それから2日後の夕方だった。
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