15年前

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「…」    「この腕どうしたの?全然アンドロイドっぽくないね。生き物みたい。」    私の爪は、赤色で尖っており、肩~指の先迄緑色で血管みたいな線も有り、手の甲には大きな目玉みたいなモノもある。科学者達が何故こんな腕を作ったのか、私は知らない。   知りたくも無い…コレのせいで私は作られて直ぐ居場所を無くしたのだから…。    少女は、腕ばかりを見ていた。その瞳に恐怖は無く、まるで、大好きな玩具を目の前にしたみたいに目を輝かせてた。   「怖くないの?気持ち悪くないの?」  そんな少女の態度に、疑問を覚えた私は、思わず聞いてしまった。そして後悔した。  また、あの嫌な言葉を聞いてしまう……           ≪化物≫         だが、少女はチョトンとした顔で  「別に恐くないよ?この両腕カッコイイから、もっと見ていたい。」 エヘヘ。初めて、満面の笑みを作った少女は私には輝いて見えた。大人でも逃げ出した、醜い両手をコノ少女は自分の両手を包むように繋ぎ    「君は、この手で傷付いたの?」    私は無言で首を縦に上下した。そして、今日迄の事を簡単に話した。    「それなら!私が世界一にしてあげる!そんで馬鹿にした人達を見返してやろう!」少女は笑顔のまま自信満々に宣言した   「私はまだ、貴女のモノになるとは言っていない。勝手に、話を進めるないで。」   吐き捨てるように言ったが、私の心はもう決まっていた。「少女についていくと…」   私がこんな事を言ったのは、少女が、どうでるのか見たかったからだ。引っ張ってでも連れ帰るのか、またはさっきの言葉に傷つき、置き去りにして行くのか。
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