15年前

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私の体は所々損傷が激しく足首も例外ではない。少女は、その事を知っていて、あえて一歩引いた所で手を差し伸べているのだ…     最初の一歩は自分で動かないといけないらしい。面白い。     木の幹から背を離して、指を木に食い込ませてなんとか立ち上がる。木に抱き着く格好になる。   足首や身体中が≪バチバチ≫と火花が散っているが気にしない。気にしていられない。   支えていた両腕を離し、1歩前に出た所で、膝のパーツに異常が出てぐらつく。   頭に警告のブザーが鳴り、倒れる瞬間少女と目が合ったが少女はさっきと変わらない。     笑顔のまま手を差し伸べている     地面にぶつかる前に両手と膝を地に付け地面に顔面直撃を免れたが、肩を損傷した。  私と少女の距離は未だ少しある。   身体中所々火花を鳴らしながら前に進む。     不意にズシリと首に重みが加わる。
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