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「んあー…やっと終わったー…」
「お疲れ、ログ。んなら、休んでこい」
「はーい」
お昼はこの時間、あまり人が来ないので店は暫らく夕方まで休みだ
俺は売れ残ったパンを持ち、外の森へと向かった
「おーい。出ておいで」
そう言うと、森の中からリスや小鳥が出てきて、俺(のパン)を目掛けて走ってきた
「うおっと、落ち着けって、なっ?」
突っ込んできた動物たちを受け流し、パンを千切って与えた
動物たちは美味しそうにパンを食べる
この時が俺に取って何よりも楽しい時間だった
幼い頃からの楽しみ
父親や母親は昔から仕事で居らず、この森がログの遊び場だった
親何て居なくても、ログの周りにはいつも優しい人や、優しい動物がログを癒してくれた
ログはそしてそのまま他の動物にパンを与えようとすると
「……そこの…」
「…ん?」
森の中から何か声が聞こえたが…気のせいかな…
「…そこ…の…ひと…」
もう一度辺りを見渡すと、何やら手らしき物が…手!?
「わっ!だ、大丈夫ですか!?」
急いで近づくと、黒い髪に見慣れない服装、そして背中には何やら大きなリュックを背負った青年が行き倒れていた
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