1 夢であなたを思う

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「おい。」 重い瞼を持ち上げると 視界に入ってきたのは、 頼り無く空をかく自分の左手と 同室の3人の心配そうな顔だった ……あれ、なんでコイツらここにいるんだ…? 海「大丈夫か?」 …なにが? 財「自分、うなされとったで」 うなされてた?……俺が? 段々、頭が覚醒してきて どうしてコイツらがここにいんのか思い出してきた。 ……そうだ、コイツら革命軍とか言って、 帰ってきたんだっけ…… 日「本当に大丈夫か?体調が悪いなら休んでろ。」 そう言って、タオルで俺の額の汗を拭う日吉。 赤「お前は、俺の母ちゃんか…」 財「冗談言えるんやったら大丈夫やな。 なんや、心配して損したわ。」 呆れを含んだ相変わらずローテンションの財前。 海「とっとと起きろ、遅刻するぞ。」 口では素っ気ない事言いながらも、 ペットボトルの水を差し出してくれる海堂。 その水を受け取り、一口のむ。 飲んでみて案外口の中が渇いていたのがわかった。 赤「うなされてたって、俺なんか言ってた?」 日「ああ、ずっと『もう少しなのに、なんで…』みたいな事を言っていた。」 赤「あ~、他には何にも言ってなかったか?」 財「ああ。……なんや、聞かれたない事でもあるんかい。」 赤「………。」 怪訝そうに聞いてくる財前に、 なんと言っていいかわからず黙りこんでしまう 財「…まっ、エエわ。とりあえず朝飯行くで。」 赤「おう、わりぃな。」 日「お前が謝るなんて、今日は雨でも降るんじゃないか。」 海「ちげぇねぇ。」 赤「てめぇら、好き勝手言いやがって……。」 財前も日吉も海堂も、こういうところは気が利くからやり易い。 …でも、なんで今になって姉ちゃんの夢なんて見たんだ……? ……とりあえず、朝飯を食いにいこう 周りには自分は一人っ子って言ってある。 テニス部のレギュラーメンバーの先輩までも例外なく。 詮索されるのが嫌なのもあるが、 まだ、俺の中でも整理がついてないのが 一番大きい。 …いつか、笑って話せる日が来んのかな この時は考えもしなかった。 まさか、あんなことが起こるなんて この時はおもいもしなかった
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