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「おい。」
重い瞼を持ち上げると
視界に入ってきたのは、
頼り無く空をかく自分の左手と
同室の3人の心配そうな顔だった
……あれ、なんでコイツらここにいるんだ…?
海「大丈夫か?」
…なにが?
財「自分、うなされとったで」
うなされてた?……俺が?
段々、頭が覚醒してきて
どうしてコイツらがここにいんのか思い出してきた。
……そうだ、コイツら革命軍とか言って、
帰ってきたんだっけ……
日「本当に大丈夫か?体調が悪いなら休んでろ。」
そう言って、タオルで俺の額の汗を拭う日吉。
赤「お前は、俺の母ちゃんか…」
財「冗談言えるんやったら大丈夫やな。
なんや、心配して損したわ。」
呆れを含んだ相変わらずローテンションの財前。
海「とっとと起きろ、遅刻するぞ。」
口では素っ気ない事言いながらも、
ペットボトルの水を差し出してくれる海堂。
その水を受け取り、一口のむ。
飲んでみて案外口の中が渇いていたのがわかった。
赤「うなされてたって、俺なんか言ってた?」
日「ああ、ずっと『もう少しなのに、なんで…』みたいな事を言っていた。」
赤「あ~、他には何にも言ってなかったか?」
財「ああ。……なんや、聞かれたない事でもあるんかい。」
赤「………。」
怪訝そうに聞いてくる財前に、
なんと言っていいかわからず黙りこんでしまう
財「…まっ、エエわ。とりあえず朝飯行くで。」
赤「おう、わりぃな。」
日「お前が謝るなんて、今日は雨でも降るんじゃないか。」
海「ちげぇねぇ。」
赤「てめぇら、好き勝手言いやがって……。」
財前も日吉も海堂も、こういうところは気が利くからやり易い。
…でも、なんで今になって姉ちゃんの夢なんて見たんだ……?
……とりあえず、朝飯を食いにいこう
周りには自分は一人っ子って言ってある。
テニス部のレギュラーメンバーの先輩までも例外なく。
詮索されるのが嫌なのもあるが、
まだ、俺の中でも整理がついてないのが
一番大きい。
…いつか、笑って話せる日が来んのかな
この時は考えもしなかった。
まさか、あんなことが起こるなんて
この時はおもいもしなかった
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