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「なら、まだ安心は出来ないな。」
ジョシュは、ダニエルの隣に腰を下ろすとマグライトのスイッチを切り、車内灯を点けた。ダニエルは、そんな彼の行動の意味が解らず、きょとんとしてしまう。
「もう少し落ち着くまで、灯りを点けておく。……長時間は無理だが、無いよりは良いだろう。色々とすまなかったな」
そう言うと、ジョシュはダニエルの頭をクシャクシャと撫でる。撫でながら、ジョシュは改めて目の前に居る人物が子供である事を自分に再認識させた。
ダニエルの年齢や簡単な来歴は、スミス・ヤーリングの現場検証のさいの事情聴取の時に大体は聞いている。だから、年齢は知っていた。
しかし彼の雰囲気や表情は実年齢より大人びて見え、加えてジョシュより10㎝近くも高い身長が、実年齢より上に錯覚させてしまう。
「ありがとう…ございます。」
ダニエルは、ジョシュの手の暖かさに安心感を覚えた。ほんの数年前は、父親によくこうやって頭を撫でてもらっていた事を思い出す。
ジョシュよりも大きくたくましい手で、乱暴だが優しく撫でてもらえた。
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