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優しく懐かしい思い出が、心を満たし痺れていた頭がゆっくりと正常に動き出す。すると、次に眠気が襲ってきた。過剰に酸素を供給された体が疲弊し休息を求めたのだろう。
ダニエルが、ジョシュに寄りかかり寝息を立てるまでそう時間はかからなかった。
「寝たのか……忙しい奴だな。」
ジョシュは、寝てしまったダニエルをそっと座席に寝かせると、車内灯を消し運転席に移動した。そして、本来の目的地である空港に向かって車を走らせる。
時計を確認すると、夜の10時を過ぎていた。
―― チッ、……この分じゃまたジョエルに文句言われるな。
心の中で舌打ちをし、頼まれ事の内容を思い出そうとする。ジョエルに頼まれたのは、警察署に搬入予定だった物資の確認と、空港の再開予定を本土へ確認をしたりと色々と言われていた。
街中の応援に行くよりはマシだろうと言っていたジョエルの顔まで思い出してしまい余計にイライラしてしまう。
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