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マグライトの光は、届く距離ではないが、月明かりに照らされ辛うじてソレと解るくらいだったが、ジョシュはその異様な光景に思わず
「……何だ…これ…」
と声を漏らした。ジョシュは、このドラム缶に見覚えがあった。ジョシュの記憶が正しければ、島の特定の場所で処理をされているはずの企業廃棄物に他ならず、こんな所に放棄されるべきではない代物だ。
道路脇に転がっているドラム缶は、辛うじて中身は外に漏れだしていないように見えたが、如何せん暗くすぎて確信がもてない。
ジョシュは、そのまま後退りするようにその場を離れ車に飛び乗った。
―― とんでもないものを見つけてしまった。
ジョシュは背中に嫌な汗が伝うのを感じながら、慌て車を急発進させた。一刻も早くあのドラム缶から離れたいと思ったのだ。
あのドラム缶の中に入っている物が具体的にどう危険なのかはジョシュには解らない。ただ、本能的に離れなければヤバいと思った。
もしかしたら、島で起きている常軌を逸した問題の数々に何か関係があるのではないか?そう思えてならない。
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