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「!」
全身に強い電流が走った。
一瞬、心臓が止まったかと思った。
体が麻痺し、動く事が出来ない。
感情は恐怖を通り越し、真っ白になる。
無の状態。
心臓をギュッと鷲掴みにされた、そんな衝撃が響いてくる。
言葉が出てこない。
何? 何? 何?……
その衝撃で、僕の目は潰れそうになる。
そこには……見た事もない生き物がいた。
それをどう表現すればいいのかわからないが、人間で言うと右半身……と言っても、腕と足の部分だけ……黒ずんだ緑色をしているが、なんとか人の形を保っている。
左側はもう……人の形を成していない。
背中は角質化された鱗で覆われ、扁平な長い尻尾がある。
細長く伸びる口の先は、長時間、負荷を掛けられていたのか、潰れて平らになっている。
突き出した大きな目が一つ、左側の先の方に付いている。
その隣には天井に向いた穴……鼻孔。
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