鰐の館

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まるで、潰れた恐竜…… 出来損ないのワニ…… 人の顔らしき部分が……正確には、女性の額から上唇の部分まで、ワニの喉の辺りに存在している。 いや、存在しているように見える. それは、溶け出した蝋人形の様……痛々しく、底なしに気持ちが悪い。 「……何? これ」 頭の中が混乱する。 自分が生きてきた22年間の思い出から、この生き物に該当する項目を検索するが、何も見つからない。 手掛かりすらない。 作り物? 違う……だって、呼吸してる……これ、生きてる…… 恐怖で後退りし、壁にぶつかる。 衝撃で壁の一部が剥げ落ち、僕の頭に降り注ぐ。 今まで積み上げてきた僕の大切な現実も、少しずつ剥げ落ちていくようだった。 これは夢?  だとしたら、僕はどうしてこんな化け物の夢を見ている?
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