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たぶん……これは夢なんかじゃない!
体中の痛みが、それを教えてくれる。
激しく震えた。全身の毛は逆立ち、体が熱くなった。
心臓の鼓動が速くなり、汗が噴き出した。
見るなと脳は命令するが、僕はそれから目が離せなかった。
この生き物は何だ?……
緊張で喉が渇く。
やがて、渇きはナイフで切り裂かれたような痛みに変わる。
呼吸する事さえ困難になる。
僕の不安が最高潮に達した、その時だった。
「彼女を刺激するな……」
隣の檻にいた若い男が、僕にそう呟いた。
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