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次の街は少し遠い…
「行くぞ。どうせひとっ飛びだ」
風雅が言う
そっと目を閉じると、背中に羽が現れる
普段はずっと隠しているが、今回だけは…早くこの街を離れたかったから
「なぁ…響夜」
「ん?」
「背中が…いたぁい…>_<…」
急に風雅が泣きはじめる
あぁ、こいつは本当に馬鹿だ…
でも、お前だけだ。
こんな俺と一緒にいてくれるのは
「当たり前だろ。ずっと飛んでなかったんだから」
「ヴぅ~…痛くて飛べねーかも」
「あっそ。じゃ、ここで死ねば?」
「響夜のばぁかぁ…>_<…」
そう言って泣きながらふてくされる風雅。
泣き虫め!!
「今回だけだぞ…」
俺がそう言うと、風雅が嬉しそうに笑う
「さっすが!!響夜大好き!」
「やめろ!!離せ!きもちわるい!」
抱きついてくる風雅を離す
「途中で落ちても知らねー」
「大人しくします!」
そう言って、風雅は自分の羽根をしまう
そっと…地面から浮き上がり、羽根を広げて空へ思いっきり飛ぶ。
「すげぇ…やっぱ響夜の羽根は綺麗だ…」
キモいことを言っている風雅をめがけて、空で一回転し、急降下する
「風雅!手を出せ」
風雅が出した手を掴むと、そのまま両手を引っ張ってもう一度空に舞い上がる
…重い(ーー;)
やっぱり、自力で飛ばせればよかった…
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