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「あー!!ったくもー!!なんなんだよあいつらー!」
「仕方ねぇよ。あいつらだって必死だしな」
「まじむかつくー!…せっかく見つけた俺の木の実が~」
「たかが木の実くらいでウジウジぬかすな!またみつけりゃいーだろ!」
「響夜のばか」
なんで俺なんだよ…
あいつらに言えよ!!
結局、あれから追いかけ回された俺たちは、湖の近くでやっと振り払うことが出来た
「俺達ってなんで存在すんだろ」
「は?」
「いつもいつも人に鬱陶しがられてさ…頼れるやつなんてこの世でお前しかいねーんだぜ」
「それでも…それでも生きてくしかねーんだよ風雅。」
風雅の気持ちは痛いぐらい分かる。
この世には、人間以外にもいろいろな者がいる。精霊や魔女。それから…人魚なんかも
でも、普段はどんなやつらも隠れて住んでいる
人間に捕まれば殺されてしまうから
そんな暗黙のルールが嫌だった俺達は、バンパイアとして堂々と生きようと決めた。人間に紛れて暮らして、動物に血を分けてもらう
でも、そんな暮らしがいつからか難しくなっていった
かつて森だった場所は、どんどんと、村から街へ。街から国へと変わってゆく
不老不死の俺達は変わりゆくものからすれば不自然だった
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