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緑の草原を赤い光で黄金に染めていた太陽が丘の陰に完全に隠れると、途端に辺りが暗くなり、町を振り返ればNPCの住人がランプに火を灯していた。
「さて改めて、解散しますか」
「おゥ」
「そうしましょう」
「それじゃあ、また誘って下さい」
「それじゃあ、解散!」
各々ペンダントの水晶から操作画面を出し、ログアウトボタンを押す。
「……あれ?」
「……おや?」
「……うン?」
「え? どうかしましたか?」
皆操作中に何か異変を覚えたようだが、操作速度の遅いダサイノは操作を中断する。
「ログアウトボタンが無い……?」
「私もです」
「おかしいですねぇ、始めた時はあったはずですが……」
「確かにあッたなァ……」
「そんなまさか……あ、ホントだ」
ダサイノのワンテンポ遅れた反応に、皆溜息を吐く。
「それにしてもどうなッてンだ?」
「バグった!?」
「その可能性もありますねぇ……運営の対応を待ちましょうか」
「一応運営からメッセージが来てないか確認してみましょう。メールボックスがあったはずですから……」
白井がそう言うと、ダサイノ以外、揃って画面を操作し、メールボックスを調べる。すると全員のメールボックスに、[新着! from:GM]の表示があった。
「これだ!」
狸がいち早くメールを開くと、画像付きのメッセージが流れる。
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