痴漢

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俺は、通学時間を有効に使おうと、電車の中では、TOEIC対策の英語を携帯プレーヤーで聞くことにしている。 だが、頭は、まだ半分寝ている状態で、英語の勉強をしているという自己満足を得ているだけかもしれない。 満員の電車は、俺が降りる一つ手前の駅に到着した。 車両の奥の方から、「すいません」と声が聞こえ、俺を含めたドア付近の住民は、ホームに一旦降りて、降りたい人の為に道を作ってあげた。 数人が降車した後で、外の新鮮な空気を吸ってリフレッシュした俺は、他の押し出され組と同じように、また、嫌々ながら息苦しいくらいの車内に戻ろうとしていた。
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