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その日は高校の始業式で、早帰りだった。
四月初旬。どこもかしこも新生活を始める人々でごった返していた。
─とはいえ、僕は今年度から、つまり今日から高校二年生なので、これといって生活が変わるなんてことはない。何ひとつ、去年と変わらない。僕が通う高校は何故かクラス替えがないし、それに特に新しいことを二年生から始めるなんてことも、まず無い。
だから、今年も去年と─昨年度と何も変わらない一年となるのだろう。
僕は、そんな紛れもない現実に、つまらない現実に、うんざりしていた。
それは確かだった。
そんな事を考えていると、下校中である僕の足取りは自然と重くなる。
これもまた、いつも通りの事なのだ。
いつも通りで。
平凡で、平淡な、なんの面白味のない日常。
こんな毎日が。
僕が最も忌み嫌う─日常だ。
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