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「違うな。混沌から生まれた異形の者だ」
セミを鋭く見据えつつアルフィスは呟き、そのセミの異形を魔法の空間内に閉じ込めた。
瞬間、どこからともなく声が届いた。
「セミを食わぬか?心臓はいらぬかえ!?いらぬならわしに送れ」
地の底からの響き…
しわがれた複数の声にも聞こえる1つの言葉だ。
たらたらと血を滴らせた生々しい心臓らしきモノが、静かに現れて空中を浮遊し出す。
(これが異形の者!?)
青ざめ、ゾクッと背中を震わすアマキ。
無意識の内にきゅっと、拳を握り締めた。
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