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景色と言っても今までいたはずの草原ではなく、赤黒くて生暖かい空間内だ。
自分達が出会ったのは生まれたての異形、異形の芽とでも言う代物。
配下がみつけたのをきっかけとして息吹きを持ち、生命を宿したと言った所だ。
息吹き出した為にその異形の心臓には弾力性があり、足下には赤黒い液が流れている。
自分達がいるのは異形の心臓の中なのか?
ドクドクとリズムよく動く肉壁と、何かが流れる音が響いている。
そんな感じにしか見えなかった肉壁に突然、血がたらりと流れ出す。
一筋から二筋…
流れる血の量が増えて行く。
アルフィスの放った歪みの魔法は異形本体の全体を包み込む。
さらに逃がさないように2重にして包み込み、ぐにゃりとねじった。
十分にねじった後、1次元空間の狭間にぽいっと放り込む。
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