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同時に悪臭や異形の心臓が消え去った。
「お父様、混沌から生まれた異形の者って何ですか!?」
ホッと一息ついたアマキは、アルフィスに問い掛けた。
「何もないからこそ、全てが混ざってる者。声に答えたら異形の一部となるか異形を生む。生も滅びもなく、只、存在してる者。要は存在をないモノとすれば良い。体内に取り込まれても計算が可能だ。異形全体を別の空間に送れば手っ取り早くもある」
やれやれと、アルフィスは息を吐いて答えた。
「何だか掴みようがない気がする」
あんなのがまた出たら嫌だなと、思いつつ、アマキは辺りを見回してみた。
「知れば容易い。異形の体内は面積と時間差で、ある程度の融け具合が決まってる。気を付けるのはそれだけだ」
アルフィスは何事もなかったかのように手綱を鳴らし、馬の足を進めた。
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