実と遊園地。

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「ねぇ、姉様?俺にもその約束して欲しいなー。」 …そう言って、アベルはにこりと笑った。 「え?…や、約束?」 「ん。そう。同じようにね?」 …そう言って、アベルが左頬にかかった髪をさらさらとかきあげた。 そんな仕草が、少し艶っぽい。 少しためらいがちに、固定するように。 …そっと、左頬に手を添える。 …あれ、なんか。 恥ずかしくなって来たぞ? 「……アベル、バスの中だし。やめない? 」 「…ん、大丈夫。みんなこっち見てないから。 …それに、姉様の精霊だけにいい思いさせたくないしー。」   …いい思いって、なんだー? …チラチラ視線が気になる中、覚悟したように目を閉じて身を乗り出す。 アベルの親衛隊が見たら、怒り狂われてたな。コレ。 居なくて、良かったー。 …柔らかい頬に、軽くリップ音をたてて離れる。 「姉様、ありがとう。…もー、可愛くて、俺。このまま姉様抱きしめて、眠っちゃいたい。」 …ちょ、それは困る。だって… 「…もう、着くよ?」 窓の外に真っ直ぐのびる道の先には、木ヶの間から観覧車が見えていた。    
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