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壱音先輩と水族館。
episode 1…。
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…蝉の鳴き声が続く中。私はシンプルなシフォンのワンピースの裾をはためかせながら、待ち合わせ場所の喫茶室の前に来ていた。
何度も迷ったが、なんとか時間前に着く事が出来てほっと胸をなで下ろす。
…待ち合わせは、10時。
着いてすぐ、おしゃれな喫茶店のガラス越しに窓際で手を降っている壱音先輩に気付いた。
(あれ、本気だったのか。)
……先輩から、メールをもらったのは昨日の夜。お風呂に入った後。
『…は?』
…聞いてはいたが、私は正直びっくりしていた。
そのメールが来るまで、水族館の約束は何かの冗談だと思って、半分信じていなかった。
此処に着き、壱音先輩を確認して…
え?あれ、冗談じゃなかったんだ…と、今さらながらに実感する。
…遅いとか、言っちゃダメだよ?
人間と出掛けるの初めてなんだから。
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