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「……はぁ。姉様、ソレ俺以外に言っちゃダメだよ?危ないから。…とくに、俺様金髪と変態宰相には。」
危ない?
…サザンドと壱音先輩は危ないのか?
今のところは、アベル以外に言うつもりはないけど…。
「…うん、なんかよく分からないけど。爆弾発言だったのね?気をつける。」
…そう言って、頷くと。
アベルが安心したように微笑んだ。
「…お返しなんて、姉様が笑っててくれればいいよ。…本当、もう。失うのはゴメンだ。」
「…アベル。」
「あはは、気にしないで?…ちょっと昔の事思い出しただけ。」
…そう言って、俯いたアベルの髪を撫でる。
「…敵が乗り込んで来た時。俺は誰にも知らせずに一人で、森に行ってたんだ。…姉様にお花をプレゼントしようと思って。」
…その言葉で、全て悟った。
「アベル?…貴方、もしかして。」
「…っ。大事で、大好きなのにっ。…俺、姉様を守れなかった。…ゴメンなさい。」
「…アベル。」
震える背中をゆっくりと撫でる。
…きっと。怖かったんだ、今まで。
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