実と遊園地。

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「…謝ることないわ。…私こそ、貴方を一人置きざりにして、…ごめんなさい。」 …それが、ずっと消えない傷になってる。 だから、いつまでもアベルは私が心配なんだ。 「…俺は、もう。姉様に会えたから、いい。…こうして、一緒に出掛けられることを神様に感謝しなくちゃ、ね。」 …そう言って、アベルがほころぶように微笑んだ。 「…じゃあ、私も神様に感謝しなくちゃ。」 …こうして、みんなに会えたこと。 色々。紆余曲折を経て今があることが、本当に嬉しい。 「…ところで、姉様?さっきの聞いていい?」 「さっきのって?」 「…姉様、精霊に行って来ますのチューしてたでしょ?」 …あぁ。 「ごめん、ごめん。弟の前で。…精霊全部切っちゃってからの私と精霊との約束なの。…離れても必ず戻るって。」 …そう言った私に、アベルが考えるような仕草をした。 「んー、精霊間の契約関係は全部唇だからね。主従の印も、魔法を引き上げるのも唇から放った言葉だし。だから、姉様も。精霊相手だと抵抗感が薄い。……彼奴等、考えたな。」  …何を?    
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