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「…姉さま。風魔法、出来る?」
「うん。ちょっと待って?楓君呼ぶ。」
…そう言って、左手を掲げて振り下ろした。
アベルも、右手を掲げてくるりとまわる。
………その瞬間、バサリとアベルの肩に大きな鷹が乗った。
どうやら、アベルの精霊さんは、鳥系らしい。
…その後。私の後ろに着地する音がして。
あったかい両手が、私の肩に回る。
「…朔。さっき別れたばかりで、もう俺に会いたくなっちゃったんだ?」
その言葉に、抱きつかれた首をひねって振り返る。
「…大変なの。楓君、迷子みたいなんだ。力、貸してくれる?」
…今日は、無風すぎて土地の精霊の力は借りれないし。
全部、楓君頼みになっちゃうんだけど。
「勿論だよ。…だって、草野じゃなくて俺を呼んでくれたんだもん。」
そう言って楓君は、にっこりと笑った。
「…えーと。坊主、名前は?」
「きたむら、まおと君よ。」
「……じゃあ空、から探そうか?」
…そう言って、楓君がまおと君を抱えて頭上を指差した。
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