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…そのほうが、効率的よね?
楓君の言葉に、アベルと顔を見合わせて頷いた。
…それを確認した楓君が、扇を懐から取りだして地面に向かってあおぐと…
風が巻き起こって。私と楓君と、楓君が抱えてた、まおと君を空へと運んだ。
…アベルも、自分の精霊の力を借りて後に続く。
「…これなら、一望出来るねー?」
「…誰か探してるっぽい、女人だよ?…自分の子供が居なくなったんなら、必死で探してるはずだから。」
空から見渡して、見つからなければ…
建物の中を探している可能性も考えられる。
「…まおと君、ママ見える?」
「うーん。」
…見回していた、まおと君の瞳がピタリと何かをとらえる。
「ママだー。」
「…どこ?」
「…あそこ。観覧車の下。」
その言葉に、三人で顔を見合わせると…
観覧車の辺りをめがけて、急降下する。
地面に着地して、楓君がまおと君を地面に下ろすと…
…まおと君がお母さん目掛けて一目散に駆け出して行って、ほっと胸を撫で下ろした。
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