実と遊園地。

13/48
前へ
/234ページ
次へ
…そのほうが、効率的よね? 楓君の言葉に、アベルと顔を見合わせて頷いた。 …それを確認した楓君が、扇を懐から取りだして地面に向かってあおぐと… 風が巻き起こって。私と楓君と、楓君が抱えてた、まおと君を空へと運んだ。 …アベルも、自分の精霊の力を借りて後に続く。 「…これなら、一望出来るねー?」 「…誰か探してるっぽい、女人だよ?…自分の子供が居なくなったんなら、必死で探してるはずだから。」 空から見渡して、見つからなければ… 建物の中を探している可能性も考えられる。 「…まおと君、ママ見える?」 「うーん。」 …見回していた、まおと君の瞳がピタリと何かをとらえる。 「ママだー。」 「…どこ?」 「…あそこ。観覧車の下。」 その言葉に、三人で顔を見合わせると… 観覧車の辺りをめがけて、急降下する。 地面に着地して、楓君がまおと君を地面に下ろすと… …まおと君がお母さん目掛けて一目散に駆け出して行って、ほっと胸を撫で下ろした。  
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加