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「ママ?あの、お兄ちゃん達が一緒に探してくれたの。」
…そう言って袖を引いたまおと君の横で。まおと君のお母さんがぺこりと此方に頭を下げた。
「…ありがとうございました。」
「じゃーね、またねー。お兄ちゃん達。」
そう言って、パタパタと手を振るまおと君に手を振りかえして見送って。
見上げた先の乗り物に目がいく…。
「…アベル、あのスプラッシュ系の奴に乗ってみたい!!」
「いいよー?」
…そんな会話をしてる私達の横で、楓君の動きがピタリと止まった。
「……………あー、やべ。傑に呼ばれた。」
…そう、言って楓くんは顔をしかめた。
「…もー、帰っちゃうの?」
「悪いな。朔。…この前みたいに、北海道に行ってジャガイモ買って来いとかじゃないといいけど。」
サザンドの時の肉じゃがのじゃがいも。
…楓君が、わざわざ北海道に行って買って来てくれてたようだ。
「ありがとう、楓君おいしかったよ。」
「まぁ…、朔が喜んでくれるんなら。いい。」
そう言った、楓君に微笑む。
「先、帰って待ってるぜ?」
…そう言って私の頭を撫でて。クシャリと笑って、楓君は姿を消した。
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