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「せっかく貴女と喫茶店に来たんです。何かご馳走させて下さい。…何を頼みますか?朔夜。」
…にっこり笑って、メニューを開いた先輩は…
どこか、楽し気だ。
「えっと。食事代位、自分で…」
「…いえ。出させて下さい。」
そう言って私の手に手を絡めて、とろけるような微笑みを浮かべる目の前の人物に…
……勝てる気がしない私は、押し黙って頷いた。
「……甘いモノとか、いかがですか?」
…メニューにお勧めしてあった、パフェ特集のバナナパフェが目に止まった。
「………えっと。じゃあ、…バナナパフェをお願いします。」
…先輩はウエィトレスさんを呼ぶと、バナナパフェと抹茶パフェを注文した。
「…先輩。…なんか、疲れてるよね?」
喫茶店に入って来た時から、白い肌に浮かぶ目の下のくまが少し気がかりだった。
「…生徒会の仕事が夏休みに少し食い込みまして。…でも。会長と会計の二人無しでも、なんとか片付けてきました。本当は、もっと早くお誘いしたかったのですが……。」
「呼んでくれれば、簡単な仕事ぐらいは手伝えたのに。」
「お気持ちは、凄く有り難いです。
……私も朔夜と一緒に居たいですし、心配して頂いてとても、嬉しいです。
……しかし、貴女が来ると…
生徒会の残りのメンバー二人が、仕事をしなくなります。」
…あぁー、そうだよね。
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