壱音先輩と水族館。

4/24
前へ
/234ページ
次へ
…その可能性を考えてなかったー。 「…あー。なんか、二人がごめんなさい。」 「……いえ、私の統率力の問題ですし。会長が明日、紀藤が3日後退院みたいですしね。それまでの我慢です。」 ……会長明日退院なのか。 ふーん。 「……知らなかったのですね。」 「や、えと。アベルのは知ってたよ。」 アベルとはマメに連絡を取り合っていた。 1日、5~6回はデコメいっぱいのメールもくれる。 …ものすごく、チャラい感じの内容の。 病室、ケータイOKなのかな? 「……彼は貴女と連絡を取るのに、何の躊躇も無さそうですね。私と違って。」 ……そう言って、先輩はため息をついた。 「………躊躇、してたんですか?」 「…ふふっ。貴女にメールを送るのを何回もためらいました。迷惑にならないかと怖くて。…時間帯も考えて、文面も読んで何度も確認しました。」 「え。」 …意外だ。 何でもソツなくこなせそうな感じがするのに。 私にメールするかどうかを悩む先輩を想像して、私はクスクスと笑った。 ………その時、顔に影が差して二人で其方を向くと… ウェイトレスさんが笑顔で立っていた。 「お待たせいたしました。抹茶パフェとバナナパフェです。」
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加