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ウェイトレスさんからパフェを受け取り、先輩の前と自分の前に置くと…
ウェイトレスさんはお辞儀をして去って行った。
「わぁ。おいしー。」
…パフェをすくって一口救って食べると、程よい甘味が口の中に広がる。
…………今度、是非傑さんにも食べさせてあげたいな。
………そんなことを考えている私の前に、にこにこと先輩が自分のスプーンを差し出した。
「…朔夜。此方のもどうぞ?」
……目の前の差し出されたスプーンに、パクリと食いつく。
「…わぁ。抹茶も美味しい。……先輩、私のもどーぞ?」
…そう言ってスプーンを差し出すと…
躊躇いがちに、スプーンにつきそうな前髪をサラサラと掻き上げた先輩がパクリと食べた。
なぜか、そんなささいな仕草に色気を感じる。
「…有り難うございます。朔夜。」
…そう言って、にっこり笑う先輩にドキリとする。
この人、無駄に綺麗なんだよな。
そんな事を考えていると、カバンの中のケータイが鳴った。
……あれ、この着メロはアベルだ。
何かあったのかな?
「…ごめん、先輩。電話みたい。」
「かまいませんよ?」
…通話ボタンを押して電話に出る。
「…もしもし?」
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