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──キィ
錆びた鎖を揺らし、闇に浮かび上がるようにそこに座っていたのは白っぽい地に朝顔の絵が描かれた浴衣を着た一人の女の子。
……びびった。
肩までの髪をそのまま下ろし、俯き微かに揺れるその様子はパッと見幽霊か何かにしか見えない。
て、あほらし。んな訳ないし。
つか一人?まだ小学生くらいだよなぁ、迷子……な感じでもなさそうだし。
ま、すぐ親が来るのかな。
そう結論付けると俺は座っていたベンチへと目をやった。
けれどそこには何もない。
元々滑り台とブランコしかないようなガランとした公園。キョロキョロと周りを見回してもそれらしきものは見当たらず。
マジか……。
漸く本格的に焦りが湧いてきた俺はわしわしと髪を混ぜた。
すると再び目に入ったのは浴衣の女の子。
……あの子なら何か知ってたりするかも。
そう思った俺は、藁にもすがる思いで未だに俯くその少女に話し掛けてみることにした。
「あのさ、ちょっと良いかな?」
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