前だけを見てる

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大きなベットの真ん中に ふたりで寄り添ってる 「やっぱり大きいね、このベット こうやってくっついてないと 寂しくなっちゃう程だね」 「薫、ちょっと乱暴だった…ごめん」 私を抱きしめたまま謝る哲平さん 私は哲平さんの腕からすり抜け 顔が見える所で横になって しっかりと目を見つめた 「私ね、哲平さんの事が大好きなんだ こんなに好きなんだって 自分でも気づいてなかったかも いつもと違う強引さに ちょっとビックリはしたけど 精一杯応えたいって…そう思ったよ 哲平さんの愛情はちゃんと感じられた だから、謝らないで」 表情が柔らかくなって微笑む哲平さんは 指で私の唇に触れると 今度は触れるか触れないかのキスをした 「何?物足りないって顔」 「意地悪…」 「やっぱ、薫じゃなきゃダメだ 薫じゃなきゃ欲情しない 薫にしか欲情しない」 「ちょっと…すっかりいつもの哲平さん?」 意地悪な顔で見つめ 哲平さんの腕の中に包み込まれた
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