戦闘社会

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「ふみぃぃぃー!待ちなさー い!」 「史! そのまま逃げ続けろぉー!」 俺の名前は大芝 史 いま俺に殺意を向けて追いかけて いる女の子は七咲 穂波 その後をついてきているのは 大野祐樹だ この角を曲がれば逃げきれる! そして、曲がろうとした瞬間、俺 は、穂波に追いつかれ背中を斬ら れた。 「はぁー。ほんっとに穂波このゲ ーム強すぎるだろ!」 そう。俺た ち三人はいつも一緒にいて、今日 も穂波の大得意のアクションゲー ムで遊んでいた。 丸一日をこのゲームに費やし、穂 波は満足した様子だ。「今日もす きりしたぁー! それにしても今日 で春休み終わりなんだよねー」 その隣で祐樹はゲームからテレビ に切り替えて、適当にチャンネル を回しながら言った。 「明日からはまた学校だな。もう 高3になるんだぜ。一年間みんなで 勉強づけだな」 とは言うものの祐樹はものすごく 頭が良い。中学のときはよく全国 模試でトップ5には入る成績をとっ ていた。だけど穂波や俺も特に勉 強が苦手という訳ではなかった。 俺は高3になったらとりあえず予備 校に通おうかと思ってたから、勉 強は、そっちでしようと思って た。俺は疲れたから、今日は解散 にしよう。と言おうとした瞬間、 突然、祐樹がテレビを見ながら驚 いていた。「どーしたんだー祐樹 ー」 「二人ともこれ見てみろよ!」 緊急放送? 「えっ?なになに~!何か面白そうなことかな?」 テレビに映っていたのは、現首相 の赤坂茂だ。 前回の選挙で首相に就任し、その 際に圧倒的なカリスマ性を発揮し て、彼を批判する人はいないそう だ。 「えー。日本国民の皆さん、 まぁー関係あるのは主に学生の方 なんですけどね。突然で申し訳な いんですけど、これからの教育方 針が変わりました。今までは勉学 がものをいう社会はでしたが、こ れからは学力で人の価値をはかる ことをやめ、もっと単純に行きま しょうということで、戦闘能力で はかることにしました。 これからは全ての教育機関は生徒 に戦闘技術を教えるように。 では以上です。」 え?
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