その壱

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「おとーさんくすぐったいよー。」 ギュッと抱きしめたので、ひげが首筋に当たったらしい。 剃ってないからちくちくするかも… 「お父さんが寝るまで、こはちゃん傍にいてくれる?」 「お父さんも寂しいの?」 「うん…寂しい。」 「じゃー仕方ないな。トントンもしてあげるね。」 そう言ってネコのぬいぐるみを真ん中にして 小春が小さな手で俺の腹を寝かしつけの為に 規則的に叩く。 至福な時間だな… そう思いながら瞼を閉じた。 幸せだな…本当に… ぼんやりとそんな事を思いながら…
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