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カツカツと革靴独特の足音が聞こえた。遠くから聞こえてきたその音はだんだんと私に近づいていった。そして、音が止まった。
いきなり私の机が揺れた。驚いて顔を起すとそこには友達がいた。
「おはようございます。久しぶりに来たと思ったら、寝てるって」
「おはよう」私は完全に驚いてしまって、挨拶しかできなかった。
「よくぞ教室に戻ってきた!頑張ったね」そういって、私の友達は私をいきなり抱きしめた。
「ちょ、ちょっとまりあちゃん。ここ、教室だから」そんなことはお構いなしに私を抱きしめる。かなり締め付けられて苦しい。
「本当によく頑張ったね」震えた声でまりあちゃんはそうつぶやいた。
「ありがとう。まりあちゃんたちのおかげだよ」私は小さくそう伝えた。まりあちゃんは私から離れて、納得したかのように私の頭を優しく撫でた。
髪をひとつにくくっているこの子の名前は、後藤まりあ。中学のときからの友達で、去年もクラスが同じだった。私のことを理解してくれている大切な友人の1人だ。私のことを支えてくれている。
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