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「花音ちゃん、久しぶり」そう声をかけてきたのは、同じく中学のときからの友達の加藤みなちゃん。赤いめがねが特徴のお母さん的な存在の友達。
「久しぶり」私はにっこり微笑みながらそうつぶやいた。他にも2人の知らない子がいた。
「私は鎌倉薫。よろしくね」
「う、うん。よろしく」やや緊張気味に私はそう言った。薫ちゃんは髪を2つにくくっており、笑顔が印象に残った。
「私は、村上詩織。よろしく」
「よろしく」一通り自己紹介が終わったところで私たちは始業式が行われる体育館に移動することに。
移動する間も私は陰口に警戒していた。そんなことを察したのかまりあちゃんは私を安心させるように話しかけてきた。
「大丈夫。ちなみに、みんなに私から1年のときのこと伝えてるから心配しないで」
「話したの?引かれなかった?」私は心配になりながらも尋ねた。
「うん、大丈夫。みんな受け入れてくれたから」それを聞いて、泣きそうになった。事情を知ってまで一緒に居てくれるの?そんな子もいるんだ。やっぱり負けるわけにはいかない。がぜん、そう思うことができた。
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