小さな雫

1.新学期

　体育館に到着。いつものように出席番号順に並ぶ。私はあることを心配していた。それは、１年生のときの担任の先生が２年生でも担任になるかどうかだった。

１年生のときの担任の先生は私のことを心配してくれていて、とてもよくしてくれた。毎日、私の顔を見にわざわざ保健室まで来てくれて、時間がないときでも話を聴いてくれた。かなり支えられたと思う。その先生が今年も担任だったらいいなぁと考えていた。

　始業式が始まり、先に新任の先生の挨拶があった。その後に、新しい担任の紹介。どきどきしながら私はそのときを待った。教頭先生が淡々と伝えていく。

「２年５組、担任は裕子先生」裕子先生がおじぎをする。
「３年３組、副担任は千草先生」私はそれを聞いて、かなりショックを受けてしまった。その後の校長先生の話なんか聞こえなかった。

千草先生が３年の副担任？しかも、担任になったのは悪いうわさが絶えない裕子先生...。体育系の先生らしく明るいのだが、強引なところも多いとうわさが流れている。しかも、休みや欠課にはうるさく、インフルエンザの友達を早退させなかったことも有名だった。最悪だ。