1.新学期

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 教室に帰る途中、千草先生が私に話しかけてくれた。 「担任になれなくて、ごめんね」 「いいですよ。気にしてません」私はにっこり微笑みながらそう言った。しかし、その表情とは裏腹に手はかなり震えていた。 本当は担任になってほしかった。しかし、それは私1人のわがままにしか過ぎない。ちゃんとそれは理解していた。 「今日の放課後、おいで」優しく微笑みながら先生は私にそういってくれた。 「もちろんです」私はそういって、先生と別れた。  「千草先生、担任じゃなかったなぁ。残念」まりあちゃんは若干落ち込んだようにそうつぶやいた。 「うん」私は少しだけため息をついた。まりあちゃんは落ち込んだ私のことを気遣ってか笑って、頭を撫でてくれた。 「大丈夫!別に学校が変わったわけじゃないんだから、いつでも話にいけるし、私たちもいるから」その言葉にほんのり心が温まった。 「ありがとう」心の底からそう言えた。
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