その零

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「…変身」 その言葉を合図に、黒と僅かな量の緑の光の粒子が俺を瞬く間に包み込む。 一秒もしないうちにその光達は弾け飛び、消えていく。 そして、そこには全身に黒い金属らしき鎧を纏った俺だけが残った。 因みに、現在俺がいるのはビルとビルの間の細い路地。 通り一本挟んだすぐ前の広場では既に戦闘は始まっているが、おそらく敵は戦闘に夢中で俺(というより変身時の光)には気付いてはいないはずだ。 この状態での戦闘は今回が初めてだ。今まで数十回の戦闘を経験してきたが、少しだが落ち着かない。 戦闘を目前に控えた今も、自分が緊張しているのが分かってしまう。 それをどうにか抑えようとしていると、広場から大きな爆風と爆音が俺のいる場所までとどいてきた。 これは、俺の出番を知らせる合図だ。
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