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男は奏がこっそり連れてきていたキミコを目にすると、目をかっと開いて驚愕の声をあげた。
「何故、魂喰らいがここにいるのだ!!」
その慌てようが余りにも滑稽で、奏はゆるんだ口元を慌てて手で隠した。
「みてわからないの?おっさん、元老院の長老のくせにバカだね」
小馬鹿にしたように言うナナギに反論する余裕もないのか、男はただただ奏とキミコを凝視している。
「ここにいる魂喰らいは、奏に懐いてここまできたんだよ。もちろん奏に攻撃することもないぜ」
「なん.........だと。そ、そのようなことがあるはずがない!!魂喰らいを手懐けるなど.........」
それでもなお言い募ろうとする男には、最早哀れみしか浮かんでこない。
周りの他の長老たちからも哀れみの視線を向けられているのにも関わらず、男はそのことに全く気づいていないようだ。
「それぐらいにしておけ、グラッツ。流石に見るに耐えない」
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