元老院

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   ???    元老院に潜入してから、2ヶ月がたった。元老院に入り込むことは案外そう難しいことでもなく、希望どおりの隠密には配属されなかったものの、それは小さなことでしかなかった。  俺が配属されたのは身の回りの世話をする執事であった。隠密ほど情報は手には入らないが、それなりに耳に入ってくる。  だが、それも噂で終わるものがほとんどな為、信憑性のあるものはなかなか見つからなかった。  そのせいで俺が焦り始めていた頃、ある話が耳に飛び込んできた。  『第五真祖が元老院にくる』  そう言った内容だった。  いつもみたいにデマではないと確信したのは、周りのもの達の様子からだった。  平時よりもせわしなく動き回り、何かの為の準備をしているようだったのだ。もちろん俺も仕事にかり出されていたので、さらに信憑性は高まるものとなっていた。  そしてある日  第五真祖がやってきた。  俺はほくそ笑んだ。  (やっと、やっとだ。やっとこの胸くそ悪いところから出られる!!)  静かに行動を開始した。
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