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「奏!!しっかりしろ!!」
その瞬間奏の頭には思考能力が戻ってきた。一気に頭が冷え、これから自分が何をしようとしていたのかと考えると寒気さえしてくる。冷えた頭で、周りを見渡したが、さっきの声の主はどこにも見あたらなかった。すぐ耳元で聞こえたような気がするのですぐ近くにいると思っていた奏は訳が分からなかった。
「そ、そうだそんなことより救急車!」
落ち着いて物事を考えて、奏は携帯を取り出したが、奏は目を見開いてまたもや固まった。さっきまでそこにあったはずのひとの姿が忽然と消えていたのだ。
見間違えるはずがないのにと、首を傾げていると奏を絶望に突き落とすメロディーが流れてきた。
「キーンコーンカーンコーン」
奏の顔は紙のように白くなった。
「ち、遅刻だぁぁぁ!!」
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