元夫

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時々、彼女にないものを私が得ると、決まって彼女は私からそれを奪っていった 幼い時に私が貰ったクマのぬいぐるみが最初だった。 それからは、私が欲しがったもの、手に入れた物全てを美奈が奪っていった。 勉強もスポーツも、努力を惜しまない美奈との差ができるのは当然な流れで、美奈は地元で有名な進学校へ入学した。 一方の私は、可もなく不可もない普通の高校へ入学し、初めて美奈のいない環境に身を置くことができてホッとしたのを今でも覚えている。 そして、私は初恋を経験する。 初めての彼氏は、同じ高校に通う1つ年上の先輩だった。 初めて好きになった先輩と、運よく付き合う事もできた私は舞い上がっていたんだと思う。 いつもなら用心していたはずの私も、家まで彼に送ってもらったりしていた。 そんな状況を見逃すわけもない美奈。
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